
01 / WHY NOW
生成AIの利用を検討する事業所では、「どこまで使ってよいか」を決めないまま、利用範囲を職員個人の判断に委ねてしまう場合があります。ルールがないと職員ごとに線引きが変わり、いちばん困るのは現場です。
いま整えておきたい理由は3つあります。
出典:内閣府「AI法 全面施行 -次なるフェーズへ-」/総務省「AI事業者ガイドライン」(第1.2版・令和8年3月31日)/厚生労働省「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」
本記事は更新日時点の情報です。制度・ガイドラインは改定されることがあるため、最新・正確な内容は原典をご確認ください。
02 / MINDSET
避けたいのは、禁止事項だけを並べた紙を配ってしまうことです。禁止事項だけを並べると、職員が利用可能な範囲を判断しにくくなることがあります。
ガイドラインの役割は逆です。「ここまでは使ってよい」と書いてあるから、安心して使える。 禁止と許可をセットで書くのが、いちばん最初のコツです。
03 / FRAMEWORK
社内ルールをゼロから考える必要はありません。「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」は、AIに関わる主体をAI開発者・AI提供者・AI利用者の3つに分け、事業所のようにできあがったAIサービスを業務で使う立場=AI利用者にとって重要となる事項を整理しています。
なお、AI事業者ガイドラインは、AI利用者に一律の法的義務を直接課すものではありません。ただし、個人情報保護法、契約、労働関係法令等による義務は別途適用されます。
以下は、原典の表1のうち「AI利用者」欄に個別の重要事項が記載されている行を抜粋したものです(番号・ローマ数字は読みやすさのため省略しています)。
| 共通の指針 | AI利用者に重要となる事項 |
|---|---|
| 安全性 | 安全を考慮した適正利用 |
| 公平性 | 入力データ又はプロンプトに含まれるバイアスへの配慮 |
| プライバシー保護 | 個人情報の不適切入力及びプライバシー侵害への対策 |
| セキュリティ確保 | セキュリティ対策の実施 |
| 透明性 | 関連するステークホルダーへの情報提供 |
| アカウンタビリティ | 関連するステークホルダーへの説明/提供された文書の活用及び規約の遵守 |
このほか、共通の指針には「人間中心」「教育・リテラシー」なども含まれます。事業所のルールは、この項目立てをそのまま借りて作るのがいちばん早い、というのが本記事の考え方です。
出典:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(令和8年3月31日)表1「『共通の指針』に加えて主体毎に重要となる事項」
04 / TEMPLATE
以下は、A4で1枚に収まる分量を想定した検討項目を整理するための一般的な記載例であり、完成済みの社内規程や個別法人向けの法律文書ではありません。当社は規程作成の代行、個別の労務・法律判断は行いません。
実際に採用する際は、既存規程、雇用・委託関係、利用ツールの契約条件等と照合し、必要に応じて弁護士・社会保険労務士等へご確認ください。〔 〕の部分は自事業所の実態に置き換えてお使いください。
05 / RULES
10項目のうち、現場で判断が割れやすいのは次の3つです。ここだけでも先に決めておくと、日々の判断を揃えやすくなります。
現場で迷いやすい論点の一つが「名前を伏せれば入れてよいのか」です。氏名を消しても、地域・年齢・障がいの内容・利用日といった情報を組み合わせれば個人が特定され得ます。 「一部を伏せる」ではなく、仮想ケースへ置き換えるか、そもそも個別ケースを入力しないという決め方のほうが、現場で迷いません。
「AIに任せてよいのは、どこまでか」。判断の軸はシンプルで、間違えたときに利用者に不利益が及ぶかどうかです。文章の言い換えや要約は、間違えても人が直せます。支援方針の決定や、ご家族への回答の確定は、間違いがそのまま影響します。
下書きはAIと。判断と支援は、人が。 この一文をルールの冒頭に置いておくと、細かいケースの判断がぶれにくくなります。
「誰が確認するか」を役職で決めておくことです。「作った人が確認する」だと、忙しいときに形骸化します。文書の種類ごとに確認者を決める(例:外部に出す文書は管理者、内部の下書きは作成者本人)ほうが、実態に合います。
「下書きはAIと。判断と支援は、人が。」
06 / START
WelvieAIは、障がい福祉に特化したAI研修です。2ヶ月・2時間×全8回=計16時間(完全オンライン)で、仮想モデル事業所のケース演習を通じて、受講者自身がAIへの指示・確認・運用ルールと業務改善の「型」を設計できるようになることを目指します。
プログラミング(コード開発)を扱うものではなく、株式会社フェアテクノロジーズが貴社専用ツールを制作・納品するものでもありません。母体の動画研修「ウェルビーラーニング」は全国1,000社・のべ20,000名以上が利用。グループで就労継続支援A型事業所・グループホームを運営しています。
障がい福祉に特化したAI研修「WelvieAI」の資料をご覧いただけます。
07 / SUMMARY
AI利用のルールは、禁止するためではなく、安心して使うためにあります。国の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」が示すAI利用者向けの項目立てを借りれば、ゼロから考える必要はありません。
まずはA4で1枚。10項目のうち、入れてよい情報・任せる範囲・確認する人の3つだけでも決まっていれば、現場の迷いを減らす助けになります。下書きはAIと。判断と支援は、人が。
免責
本記事は2026年9月4日時点で公表されている情報に基づく一般的な整理であり、特定の事業所における法令適合性を保証するものではありません。個人情報保護法・労働関係法令の適用や、社内規程としての位置づけ・記載内容については、所管の行政機関または社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。制度・ガイドラインは改定されることがあるため、最新の一次情報をご確認ください。
08 / FAQ
小規模な事業所でも、職員間で判断が分かれる可能性があります。簡潔なルールは、判断基準を共有する手段の一つになります。
本記事では推奨していません。学習利用をオフにする設定は、個人情報等の入力を許可するものではありません。設定は変更される可能性があり、確認の責任も事業所側に残ります。個別の判断は、法人の個人情報保護方針や専門家の助言に沿ってご検討ください。
なりません。AIの出力は下書きであり、確定は人が行うという前提は変わりません。ルールを整えても、法人や各担当者が本来負う責任が免除されるわけではありません。
位置づけ(内規・付属文書・規程本体のいずれにするか)は法人の規程体系によって異なります。就業規則との関係については、社会保険労務士等の専門家にご確認ください。
本記事の記載例は、検討項目を整理するための一般的なたたき台であり、完成済みの社内規程や個別法人向けの法律文書ではありません。当社は規程作成の代行や個別の労務・法律判断は行いません。採用の際は既存規程・契約条件と照合し、必要に応じて専門家にご確認ください。
AI事業者ガイドラインは、AI利用者に一律の法的義務を直接課すものではありません。ただし、個人情報保護法、契約、労働関係法令等による義務は別途適用されます。
あなたの右腕、作りませんか。
任せる範囲を決めて、
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障がい福祉に特化したAI研修「WelvieAI」。2ヶ月・2時間×全8回=計16時間(完全オンライン)で、仮想ケース演習を通じて、現場の業務改善を“自分たちで”進めるための基礎と実践を学びます。開講日程と受付状況は、開講スケジュールをご覧ください。
資料請求・無料相談はこちら人材開発支援助成金の制度概要をご案内します。当社は研修の提供と研修側書類の発行を行い、ご希望に応じて連携している社労士をご紹介します。対象可否・申請手続・最新の必要書類は、所管の労働局または社労士へご確認ください(令和8年度末までの時限措置。要件・審査があり、受給を保証するものではありません)。
この記事を書いた人
杉本 悠飛(すぎもと ゆうひ)
株式会社フェアテクノロジーズ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者 / WelvieAI事業責任者
就労継続支援A型事業所「テクキャリ」 取締役
障がい福祉に特化した動画研修サービス「ウェルビーラーニング」を立ち上げ、累計1,000社以上の事業者・のべ20,000名以上の受講を支援。自社グループでは就労継続支援A型事業所「テクキャリ」の運営に取締役として携わり、制度対応と現場運営の両方を実務として経験しています。虐待防止・身体拘束適正化・処遇改善加算・運営指導対策などの研修コンテンツ企画を統括。2026年からは障がい福祉特化のAI研修「WelvieAI(ウェルビーAI)」の立ち上げも担当しています。