「個別支援計画の下書きにAIを使ってみたいが、どう指示すればいいかわからない」——生成AIを試すとき、多くの方が最初につまずくポイントです。AIの出力は、使うAIや与える情報によっても変わりますが、指示文(プロンプト)の「型」を知っているかどうかで下書きの安定感は大きく変わります。
この記事では、個別支援計画づくりの場面別に、架空ケースでそのまま試せるプロンプトの例文を5つ紹介します。あわせて、個人情報を入力しないための安全ルールと、AIの下書きを人が確認・確定するまでの考え方も整理します。手順の全体像から知りたい方は、先に「個別支援計画の下書きをAIで作るには?(手順ガイド)」をご覧ください。
この記事でわかること
先に結論
プロンプトは「指示・文脈・例示・出力形式」の4要素で書く
やってほしいこと(指示)に、前提となる情報(文脈)・見本(例示)・欲しい形(出力形式)を添えると、下書きが安定しやすくなります(手順ガイドと同じ考え方です)。
利用者の実データは入力しない
この記事の例文は架空ケースの練習用です。氏名を「Aさん」に置き換えただけでは個人情報でなくなるとは限りません。実データの取扱いは法人の個人情報保護規程と承認された環境が前提です。
AIは下書きまで。確定は基準に沿って人が行う
サービス種別ごとの指定基準等に従い、サービス管理責任者等が内容を確認し、必要な会議・利用者への説明・文書による同意・交付等を経て確定します。合言葉は「下書きはAIと。判断と支援は、人が。」
01 / SAFETY RULES
例文の前に、必ず守っていただきたいルールを3つだけ。
この記事の例文は架空ケースの練習用です。氏名を「Aさん」に置き換えただけでは、個人情報でなくなるとは限りません(生活歴・家族構成・特性・出来事の組合せから個人が特定できる場合があります)。実在する利用者・家族・職員に関する情報は、原則として入力しないでください。
入力内容がAIの学習に使われない設定・プランかに加えて、保存期間・アクセス範囲・削除などの取扱いを確認し、法人の個人情報保護規程にもとづく責任者の承認を得た環境に限ります。判断に迷う場合は実データを入力せず、架空ケースでの練習にとどめてください。
そのまま計画として確定・交付せず、サービス種別ごとの指定基準等に従って、サービス管理責任者等が内容を確認し、必要な会議・利用者への説明・文書による同意・交付等を行います。
02 / TEMPLATE
5つの例文はすべて、手順ガイドでも紹介している「指示・文脈・例示・出力形式」の4要素でできています(AIに立場を与える「役割」の一文は、文脈の一部として冒頭に置いています)。
| 要素 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 指示 | やってほしいこと+やってはいけないこと | 個別支援計画のドラフトを作成してください。推測で埋めず、不明な点は「要本人確認」と書いてください |
| 文脈 | 前提となる情報(AIの役割・状況) | あなたはサービス管理責任者を補助するアシスタントです。以下は架空の練習用メモです |
| 例示 | 見本・書きぶりの参考 | 短期目標の例:「週1回の調理活動に継続して参加する」のような、達成を確認できる形 |
| 出力形式 | 欲しい形 | 長期目標・短期目標・支援内容・留意事項の4項目で出力してください |
とくに効くのが「推測で埋めない・不明は『要本人確認』と書く」という一文です。AIは空欄を埋めようとして、もっともらしい創作をすることがあります。この一文を入れると、確認すべき箇所が下書きに残りやすくなります。
03 / 5 PROMPTS
※まずは【 】に架空のケースを入れて試してください。実務で使うときは、1章の安全ルール(法人の規程・承認された環境)を満たしたうえで、自法人に合わせて編集してください。
ポイント: 書き殴りのメモが観点別に並び直され、「記載なし」の項目=これから聞くべきことが見える化します。
ポイント: 意向欄は「本人の言葉」が命です。AIにきれいにしすぎさせない指示(ニュアンスを残す)を入れています。なお、家族の発言は本人以外の第三者の個人情報でもあります。実データを扱う際は本人情報と同じ慎重さで扱ってください。
ポイント: 目標は1案に絞らせず3案出させるのがコツです。人が選ぶ・組み合わせる前提にすると、AIの下書きが「たたき台」として機能します。
ポイント: 目標を人が確定させた後に使う例文です。順番を守ると「AIが計画を決めた」状態を避けられます。
ポイント: 達成状況の「事実の整理」まではAI、評価の「判断」は人、と線を引いた例文です。
プロンプトの“型”を自分で設計できるようになるのが、WelvieAI の研修です。仮想ケース演習で、現場業務に合わせた使い方を体系的に学べます。
資料を見てみる04 / COMMON MISTAKES
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 情報を全部貼り付ける | 個人情報のリスク+AIが要点を見失う | 匿名化し、その計画に関係する記録だけに絞る |
| 出力をそのまま採用 | もっともらしいが根拠のない記述が混ざる | 「推測禁止・不明は要本人確認」を指示に入れ、人が全文確認 |
| 1回の指示で完成させようとする | 長くて雑な下書きになる | 例文1→3→4のように工程を分けて対話する |
| 専門用語の誤用に気づかない | 制度・サービス名の間違いが残る | 制度に関わる箇所は必ず一次情報・担当者知識で確認 |
05 / SUMMARY
プロンプトは「指示・文脈・例示・出力形式」の4要素。まずはこの記事の例文に架空のケースを入れて試してみてください。
利用者の実データは入力しない(「Aさん」置換だけでは不十分)。実務での利用は法人のルールと承認された環境が前提。
AIの担当は下書きまで。確認・判断・本人同意は人。「下書きはAIと。判断と支援は、人が。」
研修設計上のモデルケースでは、個別支援計画のドラフト作成が1件あたり約2時間→約50分(AI下書き→人が確認)になる試算をしています(※活用モデルケースの試算であり、実測平均や効果を保証するものではありません。効果には個人差があります)。
手順の全体像・匿名化の詳しいやり方は「個別支援計画の下書きをAIで作るには?(手順ガイド)」、計画以外の業務での使いどころは「福祉のAI活用 完全ガイド」「活用事例・アイデア集16選」をご覧ください。
06 / FAQ
入れないでください。また、氏名を「Aさん」に置き換えただけでは個人情報でなくなるとは限りません(他の情報との組合せで特定できる場合があります)。練習は架空ケースで行い、実データの取扱いは法人の個人情報保護規程にもとづく責任者の承認と、学習利用・保存期間等を確認した環境が前提です。
ChatGPTやClaudeなど、文章生成型のAIであれば同じ考え方で使えます。この記事の例文は特定のツールに依存しません。法人利用では、学習に使われない設定・プランを選ぶことが重要です。
そのままは使えません。AIの出力はドラフト(下書き)です。サービス種別ごとの指定基準等に従い、サービス管理責任者等が内容を確認し、必要な会議・利用者への説明・文書による同意・交付等を経て確定してください。
一度に完成させず、工程を分けるのがコツです(整理→目標の素案→支援内容の順)。また「推測で埋めない・不明は要本人確認と書く」の一文を必ず入れると、確認ポイントが下書きに残りやすくなります。
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