
01 / CONCLUSION
確認するのは「設定」だけではありません。入力内容の扱い・契約形態・履歴の共有範囲・誰が使ってよいか、の4つです。
サービスの仕様と規約は改定されるため、確認は提供事業者の公式情報にあたり、確認日とセットで記録します。
そして、設定を確認しても、利用者・ご家族・職員の個人情報を入力してよいことにはなりません。
02 / WHY NOW
AIの利用を後押しする制度の整備は進んでいます。AI推進法(令和7年法律第53号)は令和7年9月1日に全面施行され、総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は令和8年3月31日に第1.2版が公表されました。第1.2版では、AIエージェントやフィジカルAIに関する記載が新たに加わり、重要な判断に人の確認を介在させる考え方が示されています。なお、同ガイドラインは法的拘束力のない自主的なガイドラインです。
一方で、現場の事務は10月以降に増えやすくなります。最低賃金については、令和8年9月3日に改定額が答申され、2026年10月1日から12月2日までの間に都道府県ごとに順次発効される予定です。職員の賃金について、発効日と改定額の確認が必要になります(就労継続支援A型・B型で適用される制度が異なるため、利用者に関する扱いは所轄の労働基準監督署・都道府県労働局や社会保険労務士にご確認ください)。カスタマーハラスメント防止措置の義務化も2026年10月1日からで、方針の文書化と周知が重なります。
こういう時期こそ、「とりあえず手元のAIで下書きを作ろう」という判断が、担当者ひとりの裁量で始まりがちです。使い始める前に短時間でも確認しておくことが、あとから取り消せない入力を防ぐことにつながります。
出典:内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」/総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(令和8年3月31日)/厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(令和8年9月3日)
2026年9月時点の情報です。制度・サービス仕様の最新は一次情報でご確認ください。
03 / CHECKPOINTS
具体的な設定画面の場所や操作手順は、この記事には書きません。画面の名称も選択肢の位置も改定されるため、書いた時点で古くなるからです。代わりに、どのサービスでも共通して確認できる4つの観点を挙げます。
入力内容を今後のモデル改善に利用するかどうかについては、提供事業者が公式ヘルプやプライバシーポリシーで説明していることが一般的です。利用する/しない、設定で変えられる/変えられない、はサービスと契約形態によって異なります。提供事業者の公式ヘルプとプライバシーポリシーで、「自分が使うプランでどうなっているか」を確認してください。
同じサービス名でも、無料プラン・個人の有料プラン・法人向けプランで、入力内容の扱いや管理機能が異なる場合があります。「ChatGPTは安全」「Claudeは安全」といったサービス単位の言い方は、正確ではありません。プラン単位で確認します。
履歴がどこに、どのくらい残るか。共有リンクを作る機能があるか。共有した内容が意図せず外部から見える状態にならないか。「学習に使われないこと」と「どこにも残らないこと」は別です。退職者のアカウントに履歴が残る、という論点もここに含まれます。
これは設定ではなく、法人側で決めることです。職員が個人のアカウントで使っている状態では、法人として設定を管理できません。利用を認めるアカウント・用途・承認者を、法人の職務権限と承認手続のなかで決めておく必要があります。
04 / HOW TO
検索結果の解説記事ではなく、提供事業者の公式ヘルプ・プライバシーポリシー・利用規約を開きます。仕様と規約は改定されるため、第三者の記事は日付が古いことがあります。この記事も同じです。
前章の4点を探しながら読みます。わからない部分は、わからないまま記録します。「たぶん大丈夫」で埋めないことが大事です。
サービス名・プラン・確認した内容・確認日・確認した人を1枚に残します。仕様は変わるので、次に見直す時期(たとえば半年後)も書いておきます。この1枚が、事業所のAI利用ルールを組み立てるときの土台になります。
ルール文書そのものの作り方は、事業所のAI利用ガイドラインの作り方で扱っています。
05 / AVOID
AIは下書き・補助まで。最終判断と確定は人(有資格者・担当者)であり、最終責任は作成者です。
06 / TROUBLESHOOTING
07 / FAQ
サービスや契約形態によって扱いが異なります。提供事業者の公式ヘルプとプライバシーポリシーで、入力内容の学習利用に関する説明と、変更できる設定の有無を確認してください。
いいえ。設定の確認でわかるのは、入力内容が今後のモデル改善に使われるかどうかだけです。外部のサービスへ情報を入力してよいかは、利用目的や本人同意の整理を含む別の判断になります。特定の利用者等を識別できる形で障がいや診断・支援の経過に関する事実を含む情報は要配慮個人情報に該当し得ます。学習設定やプランを理由に入力可と判断せず、個人情報・要配慮個人情報は原則として入力しない運用にしてください。
入力内容の学習利用の扱い、管理者による設定の一括適用、利用状況の管理などが異なる場合があります。何がどう違うかは提供事業者の公式情報で確認してください。
法人として設定や利用範囲を管理できなくなります。誰がどのアカウントで何に使うかを、法人の承認手続として決めておく必要があります。
確認した内容と確認日を1枚に記録し、事業所のAI利用ルールに反映します。仕様や規約は変わるため、見直す時期もあわせて決めておきます。
08 / SUMMARY
確認するのは、入力内容の扱い・契約形態・履歴の共有範囲・誰が使ってよいか、の4つ。公式情報にあたり、確認日つきで1枚に残します。そのうえで、「下書きはAIと。判断と支援は、人が。」を守る運用にしてください。
免責
本記事は2026年9月時点の一般情報です。生成AIサービスの仕様・規約は提供事業者によって改定されるため、必ず提供事業者の公式情報でご確認ください。個人情報保護法の解釈や社内規程の法的評価など、個別の法律判断は弁護士等の専門家へご相談ください。当社は規程作成の代行や、個別の法律・労務に関する判断は行いません。
あなたの右腕、作りませんか。
下書きはAIと。
判断と支援は、人が。
障がい福祉に特化したAI研修「WelvieAI」。仮想モデル事業所のケース演習で、AIへの指示と確認の「型」を学びます。受講中に受講者の実業務や実データを扱うことはありません。
研修資料を無料で請求するこの記事を書いた人

杉本 悠飛(すぎもと ゆうひ)
株式会社フェアテクノロジーズ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者 / WelvieAI事業責任者
株式会社テクキャリ 取締役
障がい福祉に特化した動画研修サービス「ウェルビーラーニング」を立ち上げました。ご契約中の法人1,000社・アクティブユーザー20,000名以上にご利用いただいています(2026年9月時点・当社調べ)。自社グループの株式会社テクキャリ(就労継続支援A型事業所)の運営に取締役として携わり、制度対応と現場運営の両方を実務として経験しています。虐待防止・身体拘束適正化・処遇改善加算・運営指導対策などの研修コンテンツ企画を統括。2026年からは障がい福祉特化のAI研修「WelvieAI(ウェルビーAI)」の立ち上げも担当しています。